DXにとって、実は最重要なのは「工場のセキュリティ」
今回から5回にわたり、製造業のDXにとって実は最重要となる「工場のセキュリティ」について掘り下げてみたいと思います。
アマネテクノでは、製造業において人手不足解消や生産性向上といった課題を解決するためには、
・「リアルタイムのボトルネック見える化」
・「リアルタイムのロット別原価見える化」
・「リアルタイムの進捗見える化」
が重要であり、これらを実現することこそが真の製造業DXだと考えています。
真のDXを支える「リアルタイムデータ」とシステム連携
このDXを実現するには、工場のリアルタイムの生産データ、そして設備と人の稼働データと、販売管理・生産管理・調達管理・品質管理といった基幹システムとの統合的な連携が必要です。
設備と人の稼働データをどう取得するか
多くの工場では、生産設備・機器の運転を制御している汎用の制御機器(PLCなど)と連携することで、設備の稼働データを取得できます。
また、機器メーカー独自の組み込みソフトで動作している設備については、電流センサなどのIoT機器により稼働状態を把握することが可能です。
人の稼働状況についても、PLCの操作履歴、タブレット等の入力操作、映像解析(カメラ活用)などで定量的な評価が可能です。
DX導入前に欠かせない「ネットワーク構成とセキュリティ対策」
DXと聞くと、IoTやAI、クラウドシステムなどの導入に目が向きがちですが、導入前にこそ必要なのが、
・現状のネットワーク構成とセキュリティシステムの把握
・新たに導入するシステムのネットワーク上のポジションの確認
・セキュリティ対策の準備
です。
中小製造業にありがちな「ネットワークの丸投げ」
特に中小製造業では、ネットワークやセキュリティに対応できる人的リソースの確保が難しく、無秩序なネットワーク構成や、システムや機器のベンダー任せになってしまうケースが多く見られます。
しかし、多くのネットワークシステムや機器の企業は製造業や制御の知見を十分には持っていません。
製造業専門の視点からセキュリティを考える
だからこそ、製造業のセキュリティに精通した専門家による診断が重要です。
さらに、社内でも以下のような備えが必要です。
・製造業におけるセキュリティの考え方の共有
・インシデント発生時の動き方の明確化
・復旧手順の準備・周知・訓練
これらを整えておくことで、現場に根ざしたDXとセキュリティの両立が実現します。
次回予告|第2回「OTとOTセキュリティのはじまり」
次回は、「OTって何?」「なぜOTセキュリティが必要なの?」といった疑問にお答えします。
OTとは何か、なぜ今この分野が注目されているのか──製造業の現場と密接に関わるOT(Operational Technology)の基本と背景を、専門的ながら分かりやすく解説していきます。
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