〜見える化の次に踏み出す一歩とは〜
中小製造業のDX・業務改善を支援するコンサルティングエンジニアとして、現場での実体験をもとに、課題解決のヒントをお届けします。
はじめに
みなさん、こんにちは。
製造業の課題解決コンサルティングエンジニアの藤原です。
今回は【製造業向け】真のボトルネック見える化と解消のためのDXというテーマの最後第5回目として「DXによる真のボトルネックの解消」についてお話しします。
「見える化」の次は「解消」
前回のコラムでは、ボトルネックの見える化に関して、小ロット多品種型生産が主流の現代ではロットごと、およびその日のロットの組み合わせによってボトルネックが変動するため、そのボトルネックを「見える化」するには、商品の受注から納品までに関わる全ての工程、業務について生産速度と生産能力をロット別に把握できる仕組みが必要であることについてお話しました。
ボトルネックの「見える化」ができた次に行うべきは、これを活用したボトルネックの解消です。
「見える化」は定量的な評価および視覚化を自動的に行うことが役割なので、DXとしてはそれを活用して問題点を見つけ行動に移すことが必要です。
ボトルネックの原因特定とPDCAの回し方
リアルタイムなボトルネックの「見える化」により、そのタイミングのボトルネックである工程または業務が見えてくるので、原因を調査し改善することでボトルネックを解消することができます。
ボトルネックの原因は、設備要因、人的要因、外部要因と様々考えられますが、システムで紐づいている受注から出荷までの情報、具体的には客先、生産条件、設備設定条件、担当者といった情報から絞り込むことができます。
最初のボトルネックを解消することで次のボトルネックが見えてきますので、これについても同様に原因を調査、改善することができます。
このように、常にボトルネックを発見、改善アクション、効果確認、ボトルネックの更新というPDCAサイクルを回すことで生産性を底上げすることができるようになります。
AIの活用でさらなる予測と対策へ
さらにここにAIを活用する場合、受注と生産条件とボトルネックとの関係やPDCAサイクルのデータを蓄積、学習することで見積りや受注見込みの段階から、先のボトルネックが予測できるようになり、事前のロット優先順位の組み換えや作業者のシフト調整、外注の検討など対策が前倒しで検討することが可能になるため、
さらに人的リソースの余裕が生まれトラブル防止にもつながります。
生産性向上で実現する「本来やるべきこと」への投資
また第2回のコラムでもお話したように、生産性向上により売り上げ増、またはマンパワーの余力が生まれるため、これらのリソースを本来検討または推進すべきであった事項(人手不足対策、トラブル未然防止対策、販路開拓、新商品開発や新規事業など)に充てられるようになることが理想です。
おわりに
5回にわたり【製造業向け】真のボトルネック見える化と解消のためのDXというテーマについてお話しましたがいかがでしたでしょうか。
あくまでDXの一例ではありますが、製造業の皆様がDXを検討する際の一助となりましたら幸いです。ありがとうございました。
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補足・協力
本記事は、株式会社コガク様のご協力のもと、Podcastセミナー第5回の原稿をもとに再編集したものです。
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