【製造業のエネルギーマネジメント#3】製造業におけるエネルギーマネジメントシステムとその効果

目次

エネルギーマネジメントシステムとは

省エネに関するソフト面のツールとしてエネルギーマネジメントシステムがあります。

エネルギーマネジメントシステムは、機器のエネルギー使用情報を収集し、その情報に基づき需給や稼働を制御するシステムであり、主要な機能としては、エネルギー使用量のリアルタイムの見える化、需要予測、機器稼働状況の見える化、異常検知などがあります。

エネルギーマネジメントシステムの具体的な活用事例

事例1

リアルタイムのエネルギー使用量把握と機器稼働状況の見える化を組み合わせ、機器やプロセス単位でのエネルギー消費の時間変動と可変性を把握し、これらの調整により需要調整を行い、電力会社からの需要調整要請のインセンティブや契約電力低減によるコスト削減が可能となる。

事例2

季節や繁忙期などで変動するエネルギーの需要を予測し、機器やプロセスの稼働が平準化するように調整することでピークカットを行い、エネルギー使用量低減と電気であれば契約電力低減による基本料金引き下げによりコストを削減が可能となる。

事例3

エネルギー使用量の上下限や変化量に対して閾値を設定することで機器の瞬間停止や非定常な稼働を検知し、これらが原因で発生した製造やり直しに伴うエネルギーロスや品質不良による製品ロスを改善活動で削減することで、エネルギーコストだけではなく材料費、労務費の削減も可能となる。

DXの側面と導入のハードル

このようにエネルギーマネジメントシステムは省エネだけではなく、生産に紐づく情報もリアルタイムに把握することが可能であるため、生産性向上やコスト削減といった生産に関する持続的な課題解決にも活用することができるというDXとしての側面もあります。しかしながら、パッケージとして導入する場合はコストが大きく、小規模でも数百万、大規模工場では数千万以上とされています。これはデータ収集のためのセンサ類やネットワーク構築、稼働調整のための制御装置、およびその設置工事が必要となるためです。

初期コストを抑えた導入方法

したがって、初期コストを抑えたい場合、まずは省エネ効果の高い機器や主要な生産設備のみを対象としてデータの見える化のみ行い、収集データのデータ解析や調整などの活用は人力で行うのが良いかもしれません。

次回は、「エネルギー使用状況の見える化と活用方法」について解説します。

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